1、新耐震基準とは?適用時期と旧耐震基準との違い

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2024/09/23

新耐震基準とは、建築物の耐震性に関する基準で、1981年6月1日に日本で施行された耐震設計の指針です。この基準は、地震発生時に建物の倒壊を防ぐことを目的としており、従来の旧耐震基準から大幅に強化されました。

適用時期

  • 旧耐震基準:1950年に施行された建築基準法で制定されており、1981年6月1日以前に建てられた建物にはこの基準が適用されています。
  • 新耐震基準:1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物に適用されています。これ以降に建てられた建物は、地震の揺れに対してより強い設計が求められています​

新耐震基準と旧耐震基準の違い

1. 目標と目的の違い

  • 旧耐震基準では、「中程度の地震に耐える」ことが主な目標でした。つまり、中規模の地震に耐える設計がされており、大規模地震時の建物の倒壊防止に対する考え方が十分ではありませんでした。
  • 新耐震基準では、「大規模な地震(震度6〜7程度)でも建物が倒壊しない」ということを主な目的とし、より厳しい設計基準が設定されています。大きな地震でも人命が守られるように、建物の耐震性が大幅に向上しています​

2. 設計方法の違い

  • 旧耐震基準:中程度の地震時に損傷しないことが主な目的で、揺れによる「応力」(力の影響)を基に設計されていました。
  • 新耐震基準:建物が倒壊しないよう、「変形性能」を考慮した設計となっており、建物が揺れに対してどれだけ変形しても崩壊しないかという基準で評価されます。これにより、建物の倒壊防止に加え、揺れに対する柔軟性が重視されています

3. 安全性の向上

  • 新耐震基準では、より強い地震に対応できるよう、耐力壁接合部の強化が求められています。また、鉄筋コンクリート造や木造建築においても、構造的な弱点が強化され、地震による揺れを吸収できる構造が採用されています​

まとめ

  • 適用時期:1981年6月1日以降に新耐震基準が適用。
  • 旧耐震基準は中規模地震を対象にしており、新耐震基準は大規模地震でも倒壊しないことを目指している。
  • 新耐震基準では、揺れに対する「変形性能」や耐力壁の強化など、地震対策が大幅に強化されている。

1981年以降に建築された建物は、より高い耐震性能が求められており、現在の建築における耐震基準の基礎となっています。