愛情あふれる平屋子育ての家
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T様邸
子供部屋に快適は不要?
面積を抑えて平屋を実現
T様のお宅のキッチンはあえてガスコンロです。「IHだと火の怖さが子供にわからないから」というのがその理由。お若いながら子育ての考え方がしっかりとしているご夫妻は、子供は田舎で育てたいという思いから、ご主人が転職をしてまで関東から奈良へと里帰りしました。
ご実家の畑を転用して建てたのは、立派な構えの平屋です。「実家に住む祖母が〝年を取ったら2階はいらん〟と言ってほとんど上には行かないんです。確かに、1階だけで暮らせるんだったらそれが一番」一般的に、平屋は基礎などが増えるため坪単価が高くなります。
実際、ご夫妻もいくつか業者をあたりましたが、価格を聞いて早々にあきらめました。ところが、最初から2階建てで話を進めていたエーティーエム建築にふと聞いてみると、想像以上にリーズナブルな答えが返ってきたと言います。
「ハウスメーカーだと2階建てと比べて5割増しくらいになるのが、エーティーエムさんは2割くらい。だったら、家全体を小さくすればなんとかなるなと」。
問題は、どこの面積を抑えるかでした。ご夫妻が目を付けたのは意外にも子供部屋。しかし、そこにはやはり子育ての考えがありました。
「快適だと入りびたりになってしまうので。それに、子供はいずれ出ていくのだから狭くていいんです」。二つの子
供部屋は5畳ずつ、寝場所はロフトで確保しました。その位置を入口からの死角にしたのはお子様への気づかい。
「突然開けられても困らないようにワンクッション置きました」とご主人が笑いました。
子供部屋とは対照的に、家族が集うLDKは20畳の大空間。柱や梁の接合部を強化したSE構法を採用しているため、構造柱も耐力壁も付け足す必要はありませんでした。
さえぎるものがない空間で思いきり遊ぶお子様の笑顔がはちきれそうです。リビングと子供部屋を結ぶ長い廊下が家
の中央にあります。「無駄なものと思っていたんですがつくって良かった。プライベートな場所との区切りになりました」と奥様。
夕暮れどきはガラスブロックから漏れる光が美しいのだと言います。「一番好きな場所です」と笑みがこぼれました。