スキップフロアを生かした家

H様邸

段差で間仕切り、
風と光を通す住まいに

H様邸Hさん一家が戸建てを購入して、この地にやってきたのは1989年のこと。「そのときは家族それぞれに個室を確保するための間取りになっていました」と夫。

敷地の三方を隣家に囲まれてるうえに室内が壁で細かく仕切られていたため、光や風が通らず、昼間でも薄暗い家だったという。

転機となったのは、20121年8月、夫の故郷を襲った台風による紀伊半島大水害だった。これにより実家が被災し、夫の母は仮設住宅へ移ることに。

急きょ、建て替えを行い、母を迎えて3世代が同居するプランが検討された。「やはり家族が安心して暮らせる家にしたい。災害に強い構造を調べていくとSE構法がいいと思いました」と夫。

H様邸エーティーエム建築では、半階ずつフロアが展開していくスキップフロアの3階建てを提案。1階は母の和室と洗面・浴室、2階では半階ずつずらしてリビングとキッチン&ダイニング、3階は夫婦の寝室と、長男、長女の個室という構成に。

1階から2階にかけては階段を中心に段差だけで仕切ったオープンスぺース。ほどよく距離が取られる一方、建物の対角線上に視線が通り、光と風が行き渡るようになった。「建て替え前より格段に明るくなりました」と妻も喜ぶ。

床やリビングの腰板、キッチンの造作などには無垢材を多用。室内に表された柱や梁とともに、温かみのある雰囲気に仕上がった。

「耐震性だけでなく断熱性も高いので快適に過ごせます。100%満足ですね」。夫は笑顔でうなずいた。

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